“パワハラ”だけでは済まされない職場でのアウトな言葉

2019年11月27日

パワハラで適応障害→労災認定

トヨタ自動車に勤務していた当時28歳の男性社員が、2017年に自殺したのは、上司からのパワハラで適応障害を発症したことが原因であるとして、豊田労働基準監督署が労災認定していたと新聞各社で報じられ、テレビのニュースでも多く流れています。

トヨタ社員がパワハラ自殺 「ばか」と言われ適応障害に 復職後、斜め前に叱責上司 – 毎日新聞(2019.11.19)

「学歴ロンダリングだ」上司が侮辱…自殺したトヨタ社員、適応障害で労災認定 : 読売新聞オンライン(2019.11.19)

パワハラの多くを占める「精神的な攻撃」

厚生労働省はパワーハラスメントを大きく6つの類型に分類しています。
その中に「精神的攻撃」というものがあります。

今回のトヨタ自動車の労災認定ケースでは、「ばか」「あほ」「死んだ方がいい」という言葉を直属の上司から頻繁に言われていた、と報道されています。
職場内で、どうしてこんな言葉が出てくるのか、信じがたくもあります。
ただ、現実では結構サラッとこういったことを口にする人っているんですよね。

相手との関係性が良好だから問題ない
昔はこのくらい当たり前だった
冗談のつもり、コミュニケーションのつもりだった

よく言われる発言した側のこれらの言い訳は全く通用しない問題です。
「ばか」「あほ」「死んだ方がいい」
これらの言葉は、どういった背景があるにせよ、職場内で発する言葉として許されるものではないと私は思います。

言葉がこころに残す傷

こうした強い言葉は、心を深く傷つけます。そしてたいてい言った方は覚えていません。
そんなことを気にしてるなんて…、と言い出す人さえいます。

職場で言われた不適切な言葉、人権侵害にもあたるだろうという言葉は、その時の状況(いつ、どこで、周囲に誰がいたか、聞いていた人は誰かなど)と一緒に、忘れないうちにメモに残しておきましょう。
頭の中でその言葉を繰り返してしまわないためにも、メモに残すことは有効です。

こうした言葉を発してしまう人の愚かさ、それを許してしまう職場内の雰囲気、どちらも根が深い問題です。
そうした発言をする人は、他の場面でも問題と感じる言動をしているはずで、職場や会社で他に誰一人全く気づいていないということはないのではないでしょうか。
ただ、仕事で数字を挙げているとか、組織にとってそれが本当に大切なのか疑問にも思う理由で管理職の地位に居続けたりします。

パワハラと感じたら、とにかく誰かに話してみよう

トヨタ自動車ほどの大企業であれば、パワハラ防止のための研修であったり相談窓口であったり、さまざまな防止措置が整備されているのではないかと思います。
それでもなお、このようなとても悲しいことが発生しているというのが現状です。
パワハラと感じたら、信頼できる誰かに話してみてください。
家に帰った後や休日にも、言われた言葉やされたことを繰り返し思い出して自分一人で抱え込んでしまわないことが、心の健康のために重要です。
「会社のことを知らない人、パワハラをしてくる相手のことを分かってない人に話してもしょうがない」とか「話して解決するわけでもないし、話してって仕方がない」と思うかもしれませんが、家族にでも社外の友人にでもまずは話してみませんか。「職場でのこの言動ってなんかおかしいぞ」という自分の直感を抑え込まずに、誰かと共有してみてください。