働き過ぎに気づいたら~過労死等防止対策推進シンポジウム~

毎年11月は「過労死等防止啓発月間」です。
今月は全国各地で厚生労働省主催の「過労死等防止対策推進シンポジウム」が開かれています。

過労死等防止対策推進シンポジウム
私も11月9日の東京会場でのシンポジウムに行ってきました。
電通の女性社員の方の過労死について盛んに報道されている最中であったこともあるのか、たくさんの聴講者と報道陣が参加されていました。

過労死とは

ところで、英語にもなった「カロウシ」とはどういったことを指しているのでしょうか。

平成26年に成立し施工された「過労死等防止対策推進法」では、第2条で「過労死等」を次のように定義しています。
・業務における過重な負荷による脳血管疾患、心臓疾患を原因とする死亡
・業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡
・死亡には至らないが、これらの脳血管疾患・心臓疾患・精神障害

時間外・休日労働時間はどのくらいですか

月に45時間を超えていますか。
労災認定基準の考え方の基礎となった医学的検討結果を踏まえると、月45時間以内であれば健康障害のリスクはそれほど高くはありませんが、それを超えて長くなるほど、徐々に健康障害のリスクは高まり、月100時間または、過去2か月~6か月の間に月80時間を変える時間外・休日労働が認められる場合は、健康リスクが非常に高くなます。
若いから大丈夫、自分は大丈夫、との過信は禁物。
労働時間が長く休養をしっかりととれていない状態が続いているようなら、何らかの対処が必要になります。
パワハラなどの強い心理的負荷については、会社の外にいる家族にはなかなか見えず、客観的にも判断しがたいものです。
だけど、残業や休日出勤の多さは、一緒に住むご家族はもちろん、一緒に住んでいなくても電話やメールのやり取りでも、把握しやすいものです。

そうはいっても、旦那様の終電での帰宅が続いたり、離れて暮らす娘へ夜メールや電話をしてもいつも仕事中であったり、働き過ぎじゃないかしらと気がついたとしても、家族のことを思って頑張ってくれていることや、希望の会社で懸命に働いていることを思うと、たとえ家族とはいえ、または家族だからこそ、なかなか意見しにくいかもしれません。

今回のシンポジウムでは、高橋まつりさんをはじめ、過労死遺族の方々からの貴重なお話もありました。
その時、その時、一生懸命働く家族のためを思っての言動も、その家族が過労死した後には、「なんであの時・・・」と思ってしまうことでしょう。
仕事が大変なんだな、そんな会社辞めてしまえ、と思っていても、まさか自分の家族が過労死するとは思わないのではないでしょうか。

 緩衝要因にも強い心理的負荷にもなり得る共に働く仲間

私も民間企業で働いていたことがあります。繁忙期には労働時間が長時間に及ぶことや、休日をとることができないこともありました。

でも、繁忙期が終われば休める、また通常の勤務に戻るというゴールが分かっていたので、共に働く仲間と助け合いながら、数か月間の過重労働を乗り越えることができていました。

長時間の労働の終わりが見えているものであれば、そして同僚や上司の適切なサポートがあれば、乗り越えられる長時間労働もあるのかもしれません。
でも、例えば新入社員や異動などで、業務の流れを把握していない場合には、その数カ月先に仕事が落ち着くというゴールを想像することができません。

またそのゴールがあまりにも先であったり、ひと段落した後にまた新たなプロジェクトがスタートしたり、そうなると「今だけのこと」とは思えず、心身に何らかの健康障害が生じることでしょう。
また、緩衝要因となるべき上司や同僚の存在が、パワハラやいじめなどで本人の心理的負荷を強める方向へ働いていることが多くあります。

一人で頑張り過ぎず

自分自身はもちろん、ご家族やご友人の労働時間があまりにも長いんじゃないかと感じたら、何か心身に不調な症状が出ていないか、また何時に寝て何時に起きているか、確認してみてください。
何か症状が出ているのなら、「仕事を休めない」と言わずに、何とか時間を作って受診をしてください。
睡眠時間が少ない状態が続いているなら、睡眠時間を確保することはとても大切です。
とはいっても、「休めないから困ってるんだよ」「家族に休んだらと言ったら逆に怒られちゃった」という声も多く耳にします。
インターネットでいろいろな情報を集め、対策を練ることも一つの方法ではありますが、個別の状況や事情によって取り得る手段や解決のための有効な手段はことなります。まずは自分自身の状況を相談してみてください。

厚生労働省は、平日(水曜を除く)夜間と土日に利用できる「労働条件相談ほっとライン」という無料の電話相談を実施しています。
http://www.check-roudou.mhlw.go.jp/soudan/index.html
他にも、面談あるいは電話で、労働条件、いじめ・嫌がらせ、募集・採用など、労働問題に関するあらゆる分野について専門の相談員が相談に応じている「総合労働相談コーナー」というものも各都道府県におかれています。
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html

ブルーミングルームでも、働く人やそのご家族からのご相談に応じ、健康で充実して働き続けることを実現させるためになにができるかを一緒に考え、実行をサポートしています。

ブルーミングルームの各種カウンセリング

誰もが健康で充実して働き続けることができる社会が当たり前であって欲しいと強く思ったシンポジウムでした。

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