うつ状態の時にはまりがちなグルグル思考と自己否定

67.7%…??

職場におけるメンタルヘルスの実態や、企業の取り組み、企業のメンタルヘルスケアに対する意識など探り、メンタルヘルスケアを進めるうえでの課題を明らかにすることを目的として、独立行政法人労働政策研究・研修機構により行われた「職場におけるメンタルヘルスケア対策に関する調査」

メンタルヘルス不調者が現れる原因について、どのように考えているか(3 位まで 3 つ選択した複数回答)への回答でトップだったのが、67.7%と 7 割弱を占めて「本人の性格の問題」という結果です。

本当にそうなのでしょうか。

「残業をするな」と言われるけれどもやらなくてはいけない仕事はある、結局残業代のつかないサービス残業…。

やっと仕事が一段落、有給休暇を取って温泉でも行ってリフレッシュしてきたいけど、そんなこと言える雰囲気じゃない…。

「一人で抱え込まず、相談してね」と言ってたはずなのに、いざ相談したら「そんなこともわからないの?」と冷たい反応…。

これらは実際のカウンセリングやメンタルヘルスセミナー受講者からの声です。
疲労が蓄積することで、ストレスを跳ね返す力が弱まってしまいます。
空気が適度に入ったビニールボールは押してもすぐに元に戻ります。
でも、空気が抜けてフニャっとしているビニールボールは外から力が加わるとその部分は凹んだまま。

疲労がたまった状態になると、普段ならできているはずの「発想の転換」や「適切な判断」ができない状態にもなります。

ぐるぐる思考と自己否定

いつもなら「仕事がつらい」という時、自分なりの対処法を考え実行できているはずです。

ちょっと同僚に手伝ってもらおう
先輩に相談してみよう
とりあえずこれをやり遂げて休みをとろう

目の前にあるストレス源や自分に生じているストレス反応に対して、こうして対処をしながら心身の健康を保っています。

でも、心が疲れ切ってしまっている時は、こうしたいつもの行動がとれなくなってしまうのです。

「仕事がつらい」→「休みたい」→「休むと仕事がたまる」→「頑張るしかない」→「でも頑張れない・・・」→「自分はダメな人間だ」→「つらい」→「休みたい」→・・・・
ある一定の思考から抜け出せなくなっている、それは心が疲れているからかもしれません。

無力感が生じる3つのパターン

学習性無力感の概念を示したアメリカの心理学者マーチン・セリグマンは、人に無力感を与える信念のパターンとして3つを上げています。

永続性:ずーっと続く

波及性:何もかもダメ

自責性:自分の落ち度

うつ状態の時はこんな風に考えがちで、それがまた無力感に繋がります。

職場でのメンタル不調のトップ要因が「本人の性格の問題」なんてことはないと私は思っています。

企業のそういった考え方が変わっていくにはまだ少し時間がかかるでしょう。

015年12月から従業員50人以上の事業所で、ストレスチェックが義務化されます。
これにより、ストレスを生みやすい職場環境の改善も図られやすくなると期待しています。

そうした雇用主側の変化を待つ間にも、日々職場でのストレスは発生し、メンタル不調となる人は増え続けています。

自分の身は自分で守るという意識が、精神面での健康維持においても重要となる時代なのではないでしょうか。

普段は適切な判断を下し、建設的に考えることができるのに、グルグル思考から抜け出せなくなっている。
まずは、こんな風に「いつもとちょっと違う自分」に気付くことが大切です。


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陥ってしまったグルグル思考から抜け出すには、どうすればいいのか

ストレス状態が続き、心身に疲れがたまり、ぐるぐる思考にはまった時に必要なのは、無理なポジティブではありません。
休養とともに、現実的にものごとを見る目や多角的に考えることが必要になります。

それは、ぐるぐる思考を整理すること。

頭で考えている「思考」から一度離れて、今心の中にある「感情」「気持ち」に焦点を当てます。

ぐるぐる思考の元となっている出来事についてをあれこれ考えるのではなく、その出来事で自分はどう感じているのかにフォーカスします。

例えば……、

職場の同僚の一人が私だけを無視したり、きつい言い方をしたりする。
他の人とは笑って話しているのに、私のことが嫌いなんだろうか。
私が何かしちゃったからかな。でも、何かした覚えはないし。
それに仕事なんだから好き嫌いで態度を変えるあの人はおかしい。
あー、明日もあの人の隣で仕事をしなきゃなんだ。嫌だなぁ。

こんな風に、職場の人との関係についてぐるぐる考えてしまって、眠れないという話をよくお聴きしています。

頭の中を占領してしまっている「どうしてあの人はあんな態度を取るんだろう」という思考から、一度離れて、「同僚が自分を無視したりきつい言い方をされることで自分はどう感じているのだろう」という感情の部分に焦点を当ててみます。

職場の同僚の態度に、自分はどんな気持ちになっているのか。

「悲しい」のか「怒り」なのか「困惑」なのか……。

人によって感じ方は違うと思いますが、何かしらの感情を抱いているはずです。

まずは、そう感じているということを認識し、受け止めてみます。

そうすることで、その出来事はそうした感情を抱くほどの出来事であるのか、その問題を解決するために自分ができることはあるのか、を少し客観的に考えてみることができるようになります。

このぐるぐる思考から抜け出す方法、実際に自分一人でやろうと思うと最初は難しいかもしれません。

だけど、慣れてくると自分自身をコントロールすることができるようになり、仕事の場面でもプライベートの場面でも役立てることができるスキルになります。

ぐるぐる回ってしまっている思考を整理するために必要なのは、強いメンタル力ではなく、そのためのスキルです。


自分の考え方のクセを見直して心を整理することができるおススメの練習帳です。

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